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2009年06月30日

『いよいよローカルの時代―ヘレナさんの「幸せの経済学」』

ゆっくりノートブック・シリーズ5 いよいよローカルの時代―ヘレナさんの「幸せの経済学」を紹介します!

『ラダック 懐かしい未来』の著者・ヘレナ・ノーバーグ=ホッジさんと、辻信一さんの対談形式。 とても興味深い内容ですので、是非読んでみてください。


第1章では、ヘレナさんがスウェーデンで生まれてから、インドのチベット世界・ラダックに出会うまで、またその後の様々な活動にかかわる経緯についても語られています。

そして、第2、3章では本題である「グローバルからローカルへ」についての話題に。

これまでの経済発展は、3つの側面により人の幸せを、そして社会全体の幸せを減少させる巨大なプロセスであり、これは意図的に作り出されたものであった。
1.人々の間に競争を生み出し、伝統社会にあった協力関係や助け合いに代わって対立が生まれる。 
2.日常的にあった自然界とのかかわりから、人々を組織的に切り離す。 
3.自分が何者であるのかという人々のアイデンティティーが崩れて人々は不安定で不安になる。

つまり、自然へのアクセスを保てる分散型の暮らしから、一か所に集中しなければならないようなシステムが意図的に作られたのがグローバル化。


この「不幸な経済」に対抗するのが「幸せの経済学」。これは今秋完成予定という彼女の新しい映画のタイトルでもあります。この映画のメインテーマは、「ローカルフード経済」

世界で起こっているローカルフードムーブメントの例として挙げられているのが、「トランジション・タウン」です。
石油から脱却して、ローカル化へ。
つまり、化石燃料で成り立つ町の概念から、再生可能なエネルギーの上に成り立つコミュニティーへのトランジション(移り変わり)の動き。イギリスでは、すでに50ものコミュニティーがこの転換を目指しているらしい。
日本でも動きが始まっているようなので、今後多くの町に広がっていくといいと思う。

また、農業と経済システムが密接に関連していることが軽視されがちである、と指摘されている。
食糧の生産者から消費者までの距離が長くなればなるほど、生産者が巨大化し、単一栽培が増える。
ここは、誤解されることが多いと思うのですが、多品目化は、収穫量全体として見れば、単一栽培よりも生産的。実際、第三世界が植民地化される前の伝統的な農耕社会はすばらしく、収穫量も近代農業よりも多かったという。
化学肥料や農薬も使わないので、経費も削減され、水と空気を良くし、近隣の生態系のためにもなる。そしてファーマーズマーケットでは消費者との直接の会話も弾み、生産者の満足感も高い。


ローカリゼーションの話題は、話が大きくてわかりにくいと言われることがあるそうですが、「ビッグピクチャー(全体像)」を把握することが大切であると、語られている。

農耕社会→工業社会→情報社会→金融社会へと発展してきた。
金融危機以降もなお、グローバル経済システムを守り続ける動きがなされているが、環境危機・エネルギー危機・食料危機によりグローバル経済の破綻は明らかであり、そこからの離脱し、ローカリゼーションを進めていかなくてはならない。

絶望するのではなく、まずは知ることから。

具体的に私たちが始められるローカリゼーションのヒントとして、地域で生まれた音楽・歌・踊りに触れてみること、ローカルフードとつながることや少しでも自分で食べ物を作ってみること、自然豊かなところで瞑想的な時間を持ってみることなどが勧められています。
また、ローカリゼーションは、「つながり」を取り戻すこと。


ローカリゼーションへの動きを知って、是非、今、始めたいですね。

『いよいよローカルの時代―ヘレナさんの「幸せの経済学」』

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Posted by Cafe びすたーれぃ at 06:38│Comments(0)カフェの本
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